やわらかな 日々

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抑圧からの開放

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夫が、わたしの撮る写真をみて 「空ばっかだな。。」と言うので
そういえばと並べてみれば、確かに空の比率いつも多いですな。

おそらく、若い頃からそうであったように、空への憧れと言うか、この山々に囲まれた抑圧から逃れたいという意識の現われかもしれない。





美術館の中を歩きながら、あずりんさんに「くまたろうさんは絵をやってらしたことがあって?」というようなご質問をいただいて、、

「まあ、若気の至り・・・・てへへへへ」とお返事したわけだけど、
思い返せば、そんなことをしていた時期は、ここまでの人生の中ではほんとにわずかな期間なので、最近では「絵を描いていました」なんていうのも恥ずかしいくらいだ。

ただ、そのわずかな期間ではあったけれど、あのころのわたしにとって、
絵を描くということが、生きることのすべてであったと言っても過言でないほどにのめりこんだのは確かで、
ただ、言い換えれば のめりこむということは、そのときの生き方からの「逃げ」でもあった。

おそらく、そのころのわたしは、廻りから形作られた自分が「自分である」ということに違和感を感じ始めていて、「自分は自分である」ということを、絵を介して、まったくの他人に見出されたことから、
「抑圧からの開放」の道を見つけたのだろうと思う。

「絵」は、私自身をさらけ出すすべてだった。
そして、その自分を「さらけ出す」ということは、非常に困難だった。
廻りから「形作られた自分」を壊す作業でもあったから。。。

東山魁夷の絵に「感動」しながら、その「絵」の模倣になるのが怖かった。
「模倣」は「わたしではない」
「感動」は共有するのに、真似たら「わたしでなくなる」

他人の「絵」を見るときには、いつでもそういう恐怖があったのかもしれない。
「わたしがわたしであること」に、極端にこだわった時期でもあった。

抑圧された人間は、自分の「感情」を素直にあらわせない。
そうして、自分の「感情」をあらわせないから、ますます、自分は自分でない方向に他者からゆがめられていく。

抑圧されたまま、自分の感情をゆがめられたまま、人生を過ごしたら、どこかで崩壊しただろうと思う。

けれども、あのまま絵を描き続けて、自分の感情をそのままにあらわす術を見つけたときには
やはり
自分を「崩壊させた」 かもしれない。




とりあえず。 わたしは「逃げた」。 「逃げる」という方法だけ見つけることが出来た。

そうして、いま生きている。

感情をそのままあらわすということは、いまだに難しい。




そんなことを思いながら、日曜日の晩に、東山魁夷の番組を見ていた。

きゅーりのきゅーちゃん 作りながらね。008.gif

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Commented by u-たん at 2012-08-21 09:48 x
これだったのね~しょうが?美味しそうです!

空に惹かれる私としては うんうん。
東山魁夷は若くして天才型の方ではないよね。
だからこその葛藤も大きかったでしょうね。
人間的な大きさ調和バランス。
私の中では喪失っていうテーマが彼に引き寄せられるのかな。
彼の絵の前に立つと自然と静寂が訪れる。
祈りって上手下手とかじゃないものね。
なんの拘束もなく無防備に 謙虚な自覚。
流転、無常こそ生のあかし 
この言葉が少しなりとも体験として染み入るお年頃に、
ご一緒できたのを嬉しく思います。
Commented by あずりん at 2012-08-21 11:23 x
私は、模倣で十分だった。
自分で自分を作り上げる才能なんてないってはなからわかっていたし、ぽいものが描ける技量ですら残念ながら持たなかったけど。
模倣のその向こうに自分を見出そうってするその勇気と葛藤とエネルギーはどれほどのものだったろうね。
私は自ら生み出さないことを選んで、とても、スムーズに気軽に生きてきた気がします。
それでも50年以上も生きれば、それなりに、は、あるんだけど、笑。
絵を描かれる方、ものを生み出すことをされる方に対する、私の憧憬。
模倣であろうと、玄人であろうと素人であろうと。
すべての方へ。
それは、きっと死ぬまで持ち続けると思う。
そんな方(くまたろうさんのこと、ね)と新たにお会いできて
とてもシアワセに思います。
Commented by vinge at 2012-08-21 22:52
☆u-たんさん

そうです~。『きゅーりのきゅーちゃん漬け』 これをむーたろうとぎゅうぎゅう絞りながらテレビ見てました。^^;;

今も昔も思うこと。それは『感じること』
絵の前で、風景の中で、わたしが自分で感じるということ。まずはそこから。。。
感じ方は違ったとしても、引き合う(惹かれあう)感性ってものがあるんだなと、
そんなことを今回は思いましたよ。
一緒に見るっていいな。。。
また行こうね。^^
Commented by vinge at 2012-08-21 23:47
☆あずりんさん

ぅふ~~。ありがとうございます。(*^^*)

昔の話は気恥ずかしいですが、やはり、あの頃がなければ、当然のことですが今のわたしはありえません。
結局、自分は中途半端なままで、完全な崩壊まで至らず、ねじが一本抜けたくらいのところでとどまりました。まあ、しかし風通しはすこしよくなったからいいか。。ってな感じで。そこが凡人です。

今は、作り出すことは『楽しみ』だけです。
わたしが「わくわくする」それだけです。
そして、それを他の誰かが感じてくれたら。。
それはギフトです。

感謝いたします。







by vinge | 2012-08-21 08:16 | つれづれ | Comments(4)