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やわらかな 日々

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冬近し

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今年も、つぐみがやってきた!

朝から「きょきょきょきょきょきょ」「来たよ~!!きたよ~~!」とアピール。
仕事部屋のまん前の電線で。

もうちょっと、こう、絵的に美しいところに止まってはくれまいか??013.gif

かれらはね、遠くシベリア方面からやってきます。寒気団とともに。。。。。008.gif

いよいよ冬ってワケさ。

さて、
簡単に、最近読んだ本の話。

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図書館で借りた「初山滋  永遠のモダニスト」

彼の美しい挿絵は、どなたも必ずや一度は目にしたこともあるかと。。
なぜなら、小学校の国語の教科書によく使われてましたので。。。

写真の中で左側の開いてあるのは、私の「宝物」の一つでもある大事な本。 
三好達治や八木重吉、山村暮鳥、室生犀星 などなどの詩に、初山さんの挿絵がモノトーンのみで添えられています。

明治生まれの初山氏の絵柄は、その時代には「西洋的」で「ビアズレェ」の影響を受けた絵だの模倣だのといわれたらしいのですが、
彼は、8歳で狩野派の画塾に習い、9才で奉公に出された染物屋、江戸友禅の研究所・・・と、一貫して日本画と、日本の装飾美術の中を歩んできたのでした。

明治になって、大量に流れ込んだ西洋文化の中で、日本的なものは遅れているとか、古臭いとされていたけれど、実は、西洋に運びだされた日本文化のほうが、ヨーロッパに大きな影響を与えたんですよね。
浮世絵の繊細な線、構図に影響された画家はたくさんいます。
初山さんは、自分の絵に関しても、けして西洋の模倣ではなく、自分に根深く絡みついた東洋的な線はどうしようもない。といっています。

しかし、そんなことよりも、本人の言葉から

「私は、自分の仕事のすべてを童画にささげているが、自分の仕事を窮屈に考えていない。私は自分の絵の中に、たのしくねっころがって遊んでいる。」

「とにかく私は絵とともに生き,絵の中に戯れて生きている。絵を描いている私の心は、童心の世界を漫歩しているのだ。これは実在の子どもの世界とは違う。なんというのか、夢のような雰囲気とでもいうのか、もし、芸術というものであるのならば、あるいはそう名づけてもいい。言葉では言いあらわせぬ絵の中に甘えきれる心。
わたしは、いつもその用意をして筆をとる」



ああ、どきどきする。。。。
人をひきつける絵の魅力は、そこにあるのだろうと思います。




本屋さんで「復刻版 こどものくに」 が発売されますね。

いま、ものすごく欲しいんです。012.gif
Commented by おとね at 2010-11-14 03:31 x
昔ママとものおかあさまが保育園のせんせいをやっておられてね
昔の「こどものとも」を大量に(100冊くらい)いただいた
子どものため、と思ったんだけど
子どもが見向きもしなくなっても
未だ大事にとってある・・・

なんかねすきだから、とかじゃなくて
私が私として、という部分で大切にしたい私のその部分って感じ
わけわからんな

ピュアになれる時々眺めると
なんだろね。
Commented by vinge at 2010-11-14 07:37
☆おとねさん
誰に教えてもらったか忘れたけど。。。
「子どもの絵本は捨てないでください。 いつか、子どもが大きくなって、どこかで心傷ついたときに、絵本を手に取るときがくるかもしれません。
そこには『しあわせだった記憶』が残っていているのです。」

というようなことをね。

うちも、子どもの本はぜんぶとっといてあります。 いつでも読みかえせる場所に。

一人で絵本の世界にどっぷりとはまり込んだその時間も
親子で読んだ暖かい膝の上の記憶も
絵本を読んだ子どものころの、柔らかく幸せな記憶が、大人にも子どもにもよみがえるのね。

絵本の中に甘えてくださいな。^^




by vinge | 2010-11-11 11:15 | ほんのはなし | Comments(2)